救命技術を極めることと、インストラクターになることの違い





私がはじめて救命法の正式なトレーニングを受けたのは大学に入ってすぐくらいのときでした。それ以来、せっかく学んだ知識・技術を忘れないようにと、年に1回は講習に参加するように心掛けてきました。

しかし次第に、もっと救命法を勉強したいという思いが強くなり、最初に受けた日本赤十字社とは別の団体でいろいろな団体の講習を受けたりするようになりました。

そして今では、いくつかの団体の指導員/インストラクター資格を取得するにいたり、仕事のひとつとして、またボランティアとして、医療従事者や市民の皆さんを相手に救命法を普及させることをライフワークとしています。

皆さん、はじめて応急手当・救命法の講習を受けたときに、「すばらしい技術を身につけた」という自信を持って家路につかれたのではないでしょうか? それと同時に指導にあたってくれた指導員/インストラクターさんに対して憧れのような尊敬の念を感じたりしませんでしたか?

私がインストラクターになったのも、ちょうど同じような気持ちからでした。

こうしてただの市民から少しずつレベルアップしていって、今ではインストラクター/指導員をしているという私のこのプロセスを、ぜひ皆さんに伝えたいと思い、このサイトの立ち上げを決意しました。

『心肺蘇生法(BLS/AED)エキスパートへの道』では、主に3つの読者層を想定しています。ひとつは市民救助者として、ひとつの講習では飽きたらずさらにレベルアップをしたい人への道標として、もうひとつは医師や看護師・救急救命士といった医療従事者としてのレベルアップの方法、さらには教える側、指導員やインストラクターを目指す人の3つです。

「救命スキルの向上」と「教えること」というのは、実は別物です。

いっけんすると救命技術をどんどんレベルアップしていくと、その先には指導員/インストラクターという立場が待っていると考えがちですが、これらはまったく別次元の話。

胸骨圧迫(心臓マッサージ)、人工呼吸が抜群にうまい人が、人にもうまく教えられるとは限りません。
教えるためには教えるための技術が必要だからです。

心肺蘇生を普及する団体では、いろいろなコースを用意していて、基礎コース、上級コース、そして指導員コースという大きく3段階に分かれていることが多いと思います。

基礎コース、上級コースまではいいのですが、その先、さらに自分の技術を磨きたいと思ったら、次に受けるべきなのは上級コースの再受講です。もしくは別の団体の上級コースでしょうか。

指導員コースというのは、教えるための技術を教わる場ですので、決して救命スキルを高めたい人が進むべきコースではないのです。これは各団体によっても違いますが、指導員コースでは心肺蘇生の技術は一切練習せず、ひたすら座学だったり、模擬講習に徹する場合がほとんどです。

ですので、自分は何を目指しているのか、それを自分の中で明確にしておくことが大切です。

いざというときに着実に動ける確かな技術を身につけたいのか、普及活動に関わりたいのか? それとも両方なのか?

このサイトでは、このふたつをなるべく明確に切り分けて話を展開していきたいと思います。

ヘルスケアプロバイダーのための人工呼吸器具:バックバルブマスク(アンビューバック)



(2008.01.14)

心肺蘇生法(BLS/CPR) エキスパートへの道

 


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