市民向け心肺蘇生とプロフェッショナル心肺蘇生の違い





心肺蘇生というと、心臓マッサージ(2005年からは胸骨圧迫と言い方が変わりました)、人工呼吸、AEDでの除細動というイメージがありますが、実は心肺蘇生には大きく分けて2段階に分かれています。

一次救命処置(BLS:Basic Life Support)
特別な器具や薬剤を使わないすべての基本となる心肺蘇生法。胸骨圧迫と人工呼吸がメイン。ガイドライン2000からはAEDによる電気的除細動もBLSの範囲に含まれるようになり、日本でも2004年7月から無資格者のAED使用が解禁された。BLSは医療行為ではないので、誰もが行える、いや、行なわなければならない最低限の救命処置。

二次救命処置(ALS:Advanced Life Support)
ACLS(Advanced Cardiac Life Support)とも言われる。医師・看護師・救急救命士といった医療有資格者によって行なわれる高度な救命処置。静脈路の確保、強心剤(アドレナリン)投与、気管挿管、手動式除細動器による高度な除細動などが含まれる。

このうち、このページでは一次救命処置(BLS)にかぎって扱っていきますが、実はBLSにはふたつのバージョンがあります。一言でいうと素人向けとプロ向けの違いです。

消防の普通/上級救命講習、日本赤十字社の基礎講習や救急員養成講習など、日本で普通に知られている心肺蘇生講習はすべて一般市民(Lay Rescuer:素人)向け講習になります。

これらの講習は、心肺蘇生に関する国際的な合意事項(コンセンサス:CoSTR)に基づき、幅広い普及を目指して簡略化・単純化された講習内容になっています。

一方プロフェッショナル向けのBLSというのもあり、バックバルブマスク(通称アンビューとも言われます)を使った人工呼吸など、市民向けコースでは教えない高度なテクニックを含めてトレーニングを行ないます。

プロフェッショナル向けの救命講習といえば、心肺蘇生のフラグシップ団体であるアメリカ心臓協会(AHA)のヘルスケアプロバイダー(BLS for Healthcare Provider)コースが有名ですが、日本救急医学会が行なう ICLS コース、またヨーロッパ蘇生協議会の ILS コースも2008年度あたりからはじまる予定になっています。その他、交通事故などの外傷を前提とした救命講習である JPTEC や ITLS といった学習プログラムもプロ向けの救命講習と言えるでしょう。

これらのプロフェッショナル向けの救命講習の多くは、医療資格を持っている人を対象にしています。つまり、医師、看護師、救急救命士、救急隊員などでないと受講することができません。

そんななか、唯一一般市民にも門戸を開いているのがAHAのヘルスケアプロバイダーコースです。

ヘルスケアプロバイダーのための人工呼吸器具:バックバルブマスク(アンビューバック)


(2007.09.15)

心肺蘇生法(BLS/CPR) エキスパートへの道

 


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